【イベント発生条件】
対【ハコの魔女】戦の前に、さやかが
「上条と仁美(ひとみ)がイチャついている場面を目撃していること」 
「魔法少女とソウルジェムの秘密について、QBから説明を受けていること」
「さやかの絶望度が-3以下であること」
「対【影の魔女】戦で敗北していること」
 
 
 
 
----- 魔法少女さやか受難 -------------------------------------------
  
「くっ!」
まどかを助けるために【ハコの魔女】の結界に飛び込んだはいいが、
際限なく現れる天使型(?)の使い魔に、さやかは苦戦を強いられていた。
「さやかちゃん!」
離れた場所から、まどかが悲痛な声を上げる。
 死角からの飛び込んできた使い魔の一匹が、さやかのふとももを浅く切り裂く。
「ぐっ! ・・・こんのぉ!」
手にした剣を力任せに振り回しそれを両断する。
肩で息をしながら、なんとか逆転のきっかけを探る。
 
(身体が重い・・・
結界に侵入した時から感じていた違和感。
胸の奥から、黒い感情が湧き出して止まらない。
それがまるで毒のように全身にまわり、さやかの動きからキレを奪っていた。
ドクドクと脈を打つ黒い塊、それはさやかの想い人・上条と談笑していた、
親友でもある志筑仁美への『嫉妬』だった。
(仁美を妬ましく思ってるのは自分でもわかってる。
でも今はまどかを守るために目の前の敵に集中しなくちゃいけないのに・・・!
でもダメ・・・、息苦しいほど仁美への嫉妬が湧き出してくる・・・!
この魔女の精神攻撃なの…?)
 
胸を押さえて闇雲に剣を振り回す魔法少女の周囲を、
今や群隊となった使い魔たちが縦横無尽に飛び回り、柔らかな肌に無数の赤い線を引いていく。
「ハア、ハア、このままじゃ・・・!」
さやかは気力を振り絞って足元に魔方陣を出現させ、それを足場に大きく跳躍する。
少女の身体が弾丸のように宙を舞い、使い魔の群れから一気に飛び出す。
そして反転し、さらに加速して【ハコの魔女】本体へと突っ込む。
 
「これでとどめだああああああああああああ!」
 
パタパタと小さな羽を羽ばたかせ、暢気に浮かんでいた【ハコの魔女】にこの攻撃を回避する余裕はない。
勝負は決すると思われた、
その時――
 
「キャアアアアアアアアアア!」
 
絹を裂くような声にさやかが思わず目線を送ると、そこには何十という使い魔にたかられ、
かろうじて腕だけを覗かせる親友の姿があった。
 
「まどか!」
魔女への軌道を強引にまげて、まどかの救出に向かうさやか。
だが、これが仇(あだ)になった
注意をそらした魔法少女の背後から、【ハコの魔女】が恐ろしい速度で突進してきたのだ。
 
ズドッ!
 
「ぐはっ」
 
無防備な背中に痛烈な一撃を喰らい、呼吸が止まる。
ぐらり、と身体が揺れた後、意識を刈り取られた魔法少女は結界の底へと落ちていった――。
     
                  ■
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                  ■
   
―ギ、ギシッ
何かが軋(きし)むような音に、暗闇の中にあったさやかの意識がゆっくりと浮上する。
(……ん…あたし…?  痛っ! …そっか、あたし、魔女に…)
背中に走った痛みが、あいまいだった記憶の糸を結びつける。
(ここは…?)
ゆるゆると頭をあげると、さやかの目に悪夢のような光景が飛び込んできた。
 
「ハア、ハア、志筑さんっ…」
「んっ…、あっ…、はぁ、いいですわ…、恭介さん…」
―ギシッ、ギッ
 
薄暗い部屋の中、裸の男女がベットの上で淫らに絡みあっている。
その二人はさやかのよく知る人間だった。
(恭介っ!それに、仁美!?)
夢中で少女の裸体を貪る少年は、さやかが自らの魂と引き換えに怪我の回復を願った
想い人・上条恭介だった。
そして、少年の愛撫に息を弾ませながらも、彼の幼い必死さにかすかな笑みを浮かべる
大人びた少女。
それは、さやかとまどかの親友、志筑仁美だった。
 
「ハア、ハア、んっ…、志筑さん、志筑さんっ」
薄闇の中、白く浮き上がる少女の身体。ベットサイドに置かれたライトのぼんやりした明かりに、
汗の玉が反射し艶(つや)やかに光る。
少年はその身体に、手を、舌を這わし、その度にあがる少女の切なげなよがり声を夢中になって
求め続ける。
 
(そんな…、恭介…)
さやかはベットの前に置かれた椅子に腰掛け、二人の様子を見せ付けられている。
普通であれば行為に夢中な少年達も、さやかの存在に気がつくだろう。
しかし、二人ともその様子はない。意識して無視しているようにも見えない。
さやかの身体が、声が透明になってしまったかのようだった。
 
(身体…動かない…。いや…こんなの見たくない…、恭介ぇ…)
胸の張り裂けるような悲しみに、少女の瞳から涙がこぼれ落ちる。
目をそむけることもできない無力感に、肩を震わせる。
そんな彼女の耳元に、声が響く。
 
『アナタノココロ、トッテモ、キレイ。ミセテ、モット、ミセテ』
 
テレビの合成音のように甲高く、途切れがちに聞こえてくる魔女の声。
【ハコの魔女】。
その性質は憧憬。
筋金入りの引きこもり魔女。
憧れはすべてガラス玉の中に閉じ込める。
閉じ込められた者はその心までも見透かされてしまう。
 
そう、ここはガラス玉の中。魔女が眺め、陽にかざし、頬ずりし、
愛でて愛でつくした後に噛み砕いて味わう、魔女に束の間の娯楽を与えるために
用意されたおぞましきアメ玉。
――魔女の檻。
 
(!? 手が…!)
涙でぐしゃぐしゃになったさやかの顔に、驚愕の表情が浮かぶ。
ぴくりとも動かなかった身体の中で、手だけがさやかの意思を無視して動き出す。
感覚はあるものの、自分の思い通りに動かない手が身体を這うのは、
蛇にからみつかれたかのような嫌悪感を少女に抱かせた。
  
手はモゾモゾと意思を持ってさやかの足の付け根を目指す。
(・・・ひっ!)
強引に下着を引き剥がすと、むき出しになった少女のクレバスをソロソロと撫で回す。
(や、やだ・・・!嫌!嫌!嫌!)
動きを封じられていても、手の感覚は元のままだ。
薄い毛で覆われた秘所は、こんな異常な状況下にあっても
徐々に熱と湿り気を帯びてきていることがわかる。
指の動きは細やかで、繊細で、まるで壊れやすい動物の子供を扱うかのよう。
しかし、それは優しさからの行動ではなく、蛇が獲物に飛び掛るタイミングを図るかのような
おぞましい動きだった。
そして、
 
―ズッ、―クチュッ
 
(い、やあああああああああああああああああ!!!!!!!!!)
 
ついに指が魔法少女の秘所に侵入した。
左右の指がウネウネと蠢き、上下左右の肉襞を擦りあげる。
入り口から近いところから、徐々に奥へ、奥へ。
  
 
 
 想い人と親友の痴態を前に涙を流しながらも、それでも股間に伸びた手を止めることができない。
 
(いやあああああああ、恭介ぇぇぇぇぇぇぇ!)
 
 憧れの彼のことを想い、一人ベットの中で自分を慰めたこともある。
しかし他人に、しかも自分の親友に奪われていく様を見せられながら、
自慰にふけることになるとは、想像だにしていなかった。
(あ、あああああ…、嫌ぁぁ、やだようぅ…。 うっ、ううう…)
無垢な少女の心がズタズタに切り刻まれていく。
なおも指は彼女のをあざ笑うかのように動きの激しさを増していく。
心で拒否をしながらも、身体だけは高みに導かれていった。
 
「ハア、志筑さん…僕、もう…」
ベットの上で仁美の身体をまさぐっていた少年が、興奮にはちきれんばかりになったものを
握り、少女に声をかける。
「ええ、いいですわ、来て、ください…。」
息を弾ませた少女は自ら足を開いて、男を迎え入れる仕草をする。
普段の品のいいお嬢様然とした彼女しか知らない人間が見れば、別人に思えるほど妖艶な表情だった。
上条少年は仁美の上に覆いかぶさると、じりじりと体重をかけて腰を落としていった。
「んっ、く!」
仁美が破瓜の痛みに眉根を寄せるが、すぐに笑みを浮かべ、震える唇を少年の唇に重ねる。
―ギッシ、―ギシ、―ギッ、―ギシッ
上条が腰を徐々に激しくピストンさせていく。
その度に重ねた少女の唇から、嬌声が漏れ始めた。
 
(あ、ああ、あ、ああああ、うっ、うう、う…)
なかば壊れかけたさやかの心は、自らの指によってもたらされる快楽に流されるままになっていた。
彼女の秘所は大量の愛液に濡れ、チャプチャプと水っぽい音を立てていた。
また、片方の手は胸に伸び、魔法少女のコスチュームの下、ささやかなふくらみを乱暴に弄んでいた。
光を失った瞳はそれでもベットの上の二人から視線を外すことができない。涙が頬を濡らす。
少年のはりつめた男性器を見た瞬間、思わずゴクリと喉が鳴った。
――ああ、あそこにいるのが仁美ではなく、自分だったら。
――一糸まとわぬ姿を少年に見つめられ、恥ずかしさと嬉しさの中口付けを交わせたなら。
――少年の指で身体中を愛撫され、壊れるくらい深く、激しく腰を突き入れられていたなら。
羨望と嫉妬と快楽と恐怖でぐちゃぐちゃになった頭で、さやかは昂(たか)ぶっていく。
そして、
 
「僕、もう、イクよ、志筑さん!」
「私、私もですわ、恭介さん、恭介…、あ、あああああ!」
目の前の二人が絶頂に達する。
同時にトドメとばかりにさやかの身体を這い回る指が、秘所と胸から強烈な刺激を
送り込んできた。
 
(あ、あああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!)
 
 暴力的な快楽の奔流に、さやかの精神は吹き飛ばされてしまう。
頭の中が真っ白にスパークして、身体からすべての力が抜けていった。
そのまま、ズルズルと椅子から滑り落ち、床にあおむけに倒れこむ。
先ほどまで座っていた椅子は、さやかの愛液でヌラヌラと濡れていた。
 
 
                   ■
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                   ■
  
 
 
(もう、やだ…。もう何も見たくない。誰か、助けて…。助けて、恭介ぇぇ…。)
身体の自由は戻ったものの、絶頂の余韻でビクビクと痙攣するだけで、立ち上がる気力すら湧かない。
ぼんやりと薄暗い部屋の天井を見つめる瞳に、景色が変化していく様が映った。
部屋の天井が淡い光の中に溶けていく。
――空?
曇り空のような、奥行きのない灰色の空間が広がっていく。
見覚えがある、この空間は――。
 
「きゃああああああああああああ!」
聞き覚えのある声が上がる。
ヨロヨロと立ち上がると、先ほどまで裸で抱き合っていた上条少年と志筑仁美が立っていた。
制服を着ている。いつも通りの服装だ。
寄り添う彼らが視線を送る先、そこには巨大な樹木を根から逆さまに生やしたような、
真っ黒な物体が空にそびえ立っていた。
 
「あれは、【影の魔女】…っ! どうして、倒したはずなのに!」
全ての命を平等に影の中に飲み込む、黒い魔女。
かつて影の腕にからめとられ一度は敗れたものの、もう一人の魔法少女・杏子の助けで何とか
打ち倒すことに成功した敵。
その魔女が再び目の前に存在する。
それも、上条と仁美という一般人を巻き込んだまま。
―おかしい。
この状況は明らかにおかしい。
だが、わかってはいても、二人を救うため動くしか選択肢はない。
剣を生み出し、それを杖代わりになんとか身体を起こし、立ち上がる。
骨の抜けてしまったかのような足に渇を入れ、漆黒の魔女と二人の間に割って入る。
 
「下がって!」
剣を構えながら後ろの二人に声をかける。
顔はむけない。ここで正体をばらすわけにはいかない。
少年は突然現れた魔法少女に戸惑いながらも、質問を口にする。
「き、君は?」
先ほどのように、さやかの姿が見えないということはないようだ。
「私は、あなた達の味方。あれは魔女、倒すべき敵。危険だから離れてて!」
背中の二人に声をかけてから、魔女の動きに注意をはらう。
と、ユサユサを空に伸びていた影の腕が、ギュルッと地上のさやかに目標を定めると、
一気に襲い掛かってきた。
その数、数十。
魔力を足に込め、瞬間的に加速する。魔女の本体である「祈る姿の少女」に向かい、疾走する。
(一気に決める!)
 
ところが―。
 
(――っ!)
まるでガス欠を起こしたかのようにガクンと失速する。
足に力が入らなくなり、残った勢いそのままに地面に身体をこすり付ける。
(――どうして…?)
糸の切れた操り人形のように、地面にうつぶせに倒れながら、さやかは歯噛みする。
上条少年が自分に向けて声をかけているのがわかる。
しかし、起き上がろうと地面についた腕にもまるで力が入らなかった。
そして、もたついている間に【影の魔女】の無数の腕が迫る。
ふとももを乱暴につかまれ、勢いよく空中に持ち上げられる。そして一気に地上に叩きつけられた。
 
ズダンッ!
 
「かはっ・・・!」
身体がバラバラになるような衝撃がさやかを襲う。
肺の中の空気が無理やり押し出され悲鳴をあげることすらできない。
しかし、魔女の攻撃の手は止まらない。
再び少女を空へと放り投げると、鋭く地面に叩きつける。
 
―ブンッ! ―グシャ! ―ブンッ! ―ドカッ!
 
受身も取れないまま、二度、三度と打ち付けられ、頑強な魔法少女の身体も限界を迎えていた。
喉の奥から口の中に血の味が広がる。内臓のどこかが深刻なダメージを受けたようだった。
死の予感がさやかを襲う。
「ダメ…。あたしが、負けたら、誰が恭介を、守るっていうのよ…!」
契約の下、自らの運命を捧げた最愛の人を前に、死ぬことすら彼女には許されない。
ボロボロになりながらも、なおも武器に手を伸ばす。
 
しかし、
―ガシッ
これまで足をつかんでいた影の触手よりも力強い、
「腕」の形をした影が、さやかの下半身をがっしりと掴んだ。
そのまま腰を引かれ、剣に伸ばしていた手がもう後わずかのところで空をきる。
勢いで下着も嫌な音をたてて外れてしまった。
「くそぉ…」
もう一度剣に手を伸ばすも、足の付け根に触れる新たな感覚に
ぎょっとして振返る。そこには、
ビクビク脈打ち、両生類のようにヌルヌルと表面をテラつかせた、
太い触手がさやかの秘所に頭を押し付けていた。
悪寒が走る。
それは、少女の本能が告げた身の迫る危険への警報だった。
すっ、
叫ぶためか、回避のために身体を動かすためにか、
無意識に息を吸い込んだ、その瞬間、
 
ズ、ズブブ、ズブズブズブ…
 
「〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!!!!!」
 
 
 
呼吸が止まり、悲鳴すら奪われる。
身体の内側から、浸入する触手の体温と重量、音が伝わってくる。
これ以上ないほどリアルな、肉の感触。
身体中から一気に汗が吹き出す。
奥歯をかみ締め、顔を真っ赤にしながら触手からもたらされる痛みに耐える。
(き、てる…お腹のぉ、お、奥…っ! まだ、まだ奥にぃ…!?)
身体の真ん中を触手で串刺しにされたような感覚。
無理やりに広げられた肉の壁は、触手をぎゅっと締め付け、
その脈動の感触すら克明に伝えてくる。
時間にして一瞬、しかしさやかの中では何十倍にも引きのばされて感じられた、触手に「埋め尽くされる」時間。
そして次に、ズルズルと引き抜かれていく感触。身体の内側をそのまま引っ張り出されるような
そら恐ろしい喪失感、同時に、排泄感に似たある種の開放感。
魔女の触手は、たったの一撃で少女の心を砕き、支配し、屈服させる。
瞳から透明な涙がこぼれた。
 
(あたし…もう、)
心を折られ、戦う意思を砕かれた少女は身体中に巻きついた触手に
無理やり上半身を起こされても、もはや抵抗しなかった。
そして、その方角には、恐怖に顔を引きつらせた少年の姿があった。
少年の瞳の中には、触手に磔にされ、身体を貫かれたさやか自身の姿が映っていた。
ボロキレのように破れたスカート。
そこから伸びる白く健康的なふとももには、股間から流れ出た
破瓜の血と、泡だった愛液が筋を引いていた。
 
最愛の人の前で自慰を強制されるだけでなく、大事な初めてを奪われる。
―悔しい
―悲しい
―ツライ
―痛い
―怖い
―……
 
 
―もう、どうでも、いいや…
 
 
 
抵抗を捨て去った身体は一気に快感に侵食される。
「あ、あああ、ああああああああああ」
触手に身体を持ち上げられ、天を向く触手の上に堕とされる。
悦楽の電流が子宮から脳天に駆け抜け、意識を白く焼き尽くしていく。
「やあ、やああああああああああああああああ」
恥も外聞もなく、あえぐ、鳴く、叫ぶ。
恐怖と、わずかな興奮を覚える上条少年の顔、
そして、少年の背に身体を寄せ、ふるえる仁美。
その口元が、
かすかに、
嘲笑って、
 
…ドプッ!
 
「ああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!! ……ぁ。」
 
猛烈な体液の奔流がさやかの胎内を埋め尽くす。
剣の魔法少女が完全に堕ちた瞬間だった。
 
 
                 ■
                 ■
                 ■

 

 
 
「…っん」
「あ、気がついた? さやかちゃん…」
ゆっくりとまぶたを開けると、心配そうなまどかの顔が映った。
「…ここ、は? …あたし、…魔女は?」
頭が重く、うまく質問がまとまらない。
「ふん、間一髪だったな。あたしが気がつくのがもう少し遅かったら、あんたは魔女の夢に喰われてたよ」
口元にチョコスティックを加えた、気の強そうな赤毛の少女が言う。
「しっかし、こんな心理戦しか能のない貧弱な魔女相手に手も足もでないとはね。見てらんないよ」
槍の魔法少女・杏子は、結界から元の風景にもどった廃工場の床をぐるりと見渡すと、
転がっていたグリーフシードを拾い上げる。
「これはもらってくよ。あんたにまだ戦う意思が残ってるなら、次からは罠にはまる前に一気に勝負を決めるんだね」
杏子はそれだけ告げると去っていった。
倒れたさやかと、座り込んだまどかが残される。離れたところに意識を失った魔女の被害者たちが倒れていた。
ガランとした夜の廃工場はシンとして物音ひとつしなかった。
 
「…まどか。ごめんね、あたし、助けられなくて…」
「…ううん、いいの。私こそごめんね。私が、魔女に操られた仁美ちゃんを止められてたら…。
さやかちゃんがツライ目にあわなくてすんだのに…」
まどかは悲しそうに目を伏せる。
「ねえ…あたし、魔女に不意打ちを食らってから、どうなってたのかな…夢を見てたみたい…よく、覚えてないんだ…」
「使い魔が気を失ったさやかちゃんを持ち上げて、ハコの魔女がさやかちゃんの頭のところにずっととまってたの。
でも、魔女の画面がピカピカ光る度、さやかちゃん苦しんで、泣き叫んで、うっ…ごめんね。ごめんなさい。
あたしが、あたしのせいで、さやかちゃんを苦しめちゃった…」
ポロポロと涙を流す親友に、さやかは薄く微笑んで声をかける。
「ううん。あたしが、弱かっただけ。魔女に取り入れられる心の隙を見せちゃっただけだよ。」
そういって、まどかの顔に手を伸ばす。その手をとり、なおも泣き続けるまどか。
 
(でも…あたし、夢の中で…)
背中の傷は痛むのものの、全身の薄い切り傷以外目だった外傷はない。
しかし、胸に以前とは違う、かすかな違和感がある。
それは、コールタールのように黒く、ねっとりと少女の中に気味の悪い感触を残していた。
 
  -fin-
 
 
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